Dialogue

Vol.2
広がるLEDビジョンのフィールドと可能性!

最新の科学技術を駆使して作品を制作するデジタルアーティストであり、また京都大学大学院総合生存学館の教授を務める土佐尚子先生。TELMIC Néoは、そんな土佐先生と共同でLEDビジョンとプロジェクターの比較研究を行っています。 第二回目の今回は、前回に引き続き、TELMIC Néoプロジェクトリーダーである高田裕之と対談。今回は、LEDビジョンの可能性について、土佐先生らしい視点で語っていただきました!

更地でサステナブルなビジョンを実現!

高田 LEDビジョンの価格が下がることによって、これまでになかった使い方というのかな、そういう可能性が出てきたように思います。土佐先生の中で、LEDビジョンを使って、こんなことをしたい、といったアイデアはありますか?
土佐 屋外で使えればいいと思いますけどね。
高田 屋外用ビジョンは昔からありますが、例えば、どんな風に使いたいのですか?
土佐 実は昔、台湾で使ったことがあるんです。大きなデパートの工事現場を隠すために横長のスクリーンを設置して、そこにコンテンツを流してくれないかという依頼を受けて、やりましたね。工事現場なんて、いいと思いますね。できあがったら、そのままビルの中に展示して。
高田 なるほどね。僕も、以前、工事現場の目隠しとしてビジョンを使うという提案をしたことがありますが、それだけでなく展示できると更にいいですね。
土佐 あとは、私がもし建築家で、好きなビル建ててと言われたら、壁一面をビジョンにしたいですね。
高田 お! それ、まさに『AdArt』ですよ。テルミックとAGCが共同で行っているプロジェクトで、街中をアートで彩るというプロジェクトなんです。
土佐 素晴らしいですね。タイムズスクエアのような景観になると思いますね。あ、あと他には…
高田 アイデアが水のように湧き出しますね(笑)
土佐 被災地が、更地になっているじゃないですか。あぁいった更地でやるといいと思いますね。太陽光パネルを横に置いてね。太陽光パネルで電気をまかなえればいいと思いますね。実は、このLEDビジョンは太陽光パネルで動いているんですよ。なんていうと、みんなビックリすると思いますよ。
高田 僕は以前、ハイブリッドビジョンというのを開発していて、特許も取っているのですが、それを使えばLEDの再生エネルギーの活用って実現できるんですよ。なんか、自信が出てきました(笑)。ところで、どんなコンテンツを流せばいいと思います?
土佐 なんでもいいんですよ(笑)。太陽光でやったということが重要なんですから。みんな、びっくりすると思いますね。それに、私は被災地に実際に訪れたんですけど、やっぱり寂しいんですよね。ですから、何かしたいな、という思いはずっと持っていて…
高田 そうですね。そういった場所だからこそ、エンターテインメントというか、アートの力が必要だと思いますね。
土佐 更地って何もないじゃないですか?何もないところでやった方が人は感動するんです。ビルがいっぱい建っているところでね、同じことをやっても、それで終わっちゃうじゃないですか?それに、社会貢献性とか、意義というものが重要だと思います。

次世代のLEDビジョンの舞台は宇宙?

土佐 あと、もう、これ実現したら本当にすごいんだけど、どうせなら宇宙空間で直接太陽のパワーをもらって(笑)、やってみたいですね。
高田 さすがですね。発想が翔んでる感がいいですよね(笑)。
土佐 すみません、言い過ぎました(笑)。でも、なんでこんなことを言い出したのかというと、松本紘という前の前の京都大学総長がいるのですが、彼が宇宙空間で太陽光パネルを設置して、地球に直接、太陽光を送り届けるという研究をしていたんです。
高田 すごい研究ですね。でも、人に当たったら大変ですね!
土佐 大変というか助からないですね。稲妻と同じですから。私、そのビデオまで作らされたんですよ。折り紙のようにパネルが折ってあって、宇宙に行ったらパッと開くという。
高田 そんなことまで、やられていたんですね。
土佐 これから地球上の人たちがビジネスとしてやらなきゃいけないのは、SDGsのような環境をサステナブルにすることと、宇宙開発だと思うんです。だから、決して夢物語じゃないんですよ。だって実際、宇宙船の中にはモニタだってあるわけでしょう?
高田 ありますね。
土佐 だから、そういう時代には突入するんだろうと思いますね。
高田 相変わらずスケールの大きな話になりますよね。先生と話をすると、大抵こうなりますけど(笑)
土佐 私は大学の役割というのは、夢を語る場所だと思うんです。あのMITのメディアラボだって、最初できた時は夢を語って、その夢を企業が買って開発を進めたんですよ。大学が企業の後追いを始めたら、おもしろくないと思いますね。でも、MITは、私も以前在籍していたのですが、やるか死ぬかじゃないけど、人と同じことをやっていたら生き残れないというか、存在証明ができないところがありましてね。そういった環境にいるとやっぱり考えますよね。ものすごく考える。それがイノベーションの原動力なんですね。京都大学という学校も、そういうおもしろいことを言う人たちを、割かし育ててくれるところがありまして。もちろん保守的な人もいるけれど、割と自由な雰囲気があると思いますね。
高田 それが、ノーベル賞受賞者が多い理由なんでしょうね。
土佐 まさしく独立独歩というか、おもしろいですよね。基本、自学自習がモットーですから、生徒は自分で研究している。先生は何をしているのでしょう?と思うときもありますけどね(笑)。それで誰も文句を言わないところがすごい学校だなと。

コロナ禍におけるアートの重要性を再認識

高田 土佐先生も、アートという分野で独自の道を切り開いていますよね。僕はコロナ禍において、アートの重要性が増していると感じていますが、どう思われますか?
土佐 まさに、その通りで、これまでの社会というのは、なるべく感情を抜きにして、合理的で客観的に考えるべきだという考えが、わりかし主流だったと思うんです。でも、それではコロナ禍では対応しきれないじゃないですか?やはり感情的なものが表面化したというか、それをうまくコントロールできるメディアは、やはりアートしかないと思うんです。例えば、お祭りなんかもアートのひとつで、地域の人々が結束して、何かやりましょう、という方向につながっていくじゃないですか?アートというのは原動力であり、エネルギーだから。人と人をつなげていく活力というかね、そういったものがコロナ禍の今、最も大切なんだと思いますね。
高田 なるほど。ぜひ、実現させましょうよ、アートな街計画。早速、僕も更地を探しに行ってみようと思います!
土佐 それか宇宙でもいいんじゃないですか?
高田 いやぁ、宇宙も興味はあるんですけどね。でも、更地の方がまだ現実的かな。
土佐 ぜひ、イーロン・マスクと手を組んでくださいよ。私、いくらでも協力しますから(笑)。
高田 わかりました。もし、イーロンマスクと会う機会があったら、僕のバックには、あの土佐先生がいるって言っておきますね(笑)。

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